KK-925 ブレインクーラー正直レビュー。「無いよりマシ」でも買った方が良い理由とは

バイク装備

夏のツーリング熱中症対策にコミネのブレインクーラーを導入ました。

どんどん熱くなる日本の夏。ただのツーリングでも対策なしでは熱中症のリスクが高く、命がけの趣味となってしまいました。
そこで、少しでもリスクを下げて快適に過ごせないか?ってことで、こいつの性能を試してみます!

この記事を書いた人
ヒスケ

キャンプ歴12年目の自称”バイクキャンプマニア”。
3回目の北海道ツーリングを目論見中…

【概要】コミネ ブレインクーラー KK-925

ブレインクーラー KK-925は、バイクパーツメーカー コミネから発売されている、ペルチェ素子を使用したライダー向けのネッククーラーです。
電気の力で冷やした金属プレートを首の太い血管に当てることで、効果的に脳を冷やしてあげよう!というアイテムです。

私も昨年、走行中に熱中症寸前(?)になったことがあります。
その時は体の熱さは我慢できていたのですが、次第に頭がクラクラしてきて、信号待ちで止まったときに立ちごけしそうになって、その時に初めて「これはヤバイ!」と感じて急いで休憩しました。

熱中症って体が熱でやられるイメージでしたが、実際に真っ先にやられるのは脳で、意識レベルや判断力が低下してぶっ倒れるんですよね。
体はまだいける!と思っていても脳みそはもうオーバーヒート。でもその判断力が鈍ってしまってしまう。
これが熱中症の怖い所。

なので、まずは大事な脳を冷やして保護してあげよう、正常な判断ができる状態を維持しよう、というための道具がこのブレインクーラーなんですね。

お値段はちょっぴりお高目ですが、これで立ちごけを一回防げると思えば安い物なので、ちょっと導入してみました。
今回は、真夏も迫る6月のツーリングで使用してみた時のレビューをお伝えいたします。

納得犬
納得犬

ヘルメット内は通気性が悪く、蒸れやすいからね…。
血流を冷やすのは理に適ったアイデアだね!

ちなみに、同じ商品名でKK-923という品番がありますが、そちらは旧モデル。
現行モデルは、ベルトの仕様変更や機構のサイズ最適化などの改良がおこなわれています。

【冷たさ】確かに冷たいが、すぐに慣れてしまう

まず1番気になるのは、なんといっても冷やす能力
果たして、本当に冷たさを感じられるべれるなのか確かめてみました。

実験は、6月の梅雨の晴れ間、最高気温33度の午後2時ごろに行いました。
メッシュジャケットで山間部を走る分にはそこまで暑くないけど、止まる時間が長いとさすがに暑いな~、と感じるくらいの暑さの日でしたね。

早速ブレインクーラーを取り出します。
部品構成は2つの冷却機構とベルト、ケーブルだけなので至ってシンプルで軽量。
荷物として嵩張らないのもありがたい点ですね。

こんな感じで装着します。
ケーブルは邪魔にならないよう、アンダーシャツと見せシャツ(モンベルの白シャツ)の間を通してます。
(もちろん、この上からメッシュジャケットを羽織りますよ)

で、肝心の冷たさですが…電源を入れると、5秒~10秒ほどでキーン!と冷たくなり、すぐさま冷却効果を感じました。
こりゃすごい!この冷たさならマジで熱中症にならず走れちゃうかも?と期待を寄せつつ、走り始めます。


装着から5分ほど経つと、さっきまでの冷たさはどこへやら?という感じで、最初ほどのインパクトを感じなくなっていました。
「あれ?クーラー止まってる?」と操作スイッチを見ても正常に動いています。

試しにクーラーの位置を手でずらしてみると、やっぱり冷たくてキーン!とするので、動作自体に問題はなさそうです。

これは「温度順応」という一種の「慣れ」の現象だそうです。
熱いお湯に浸かると最初は熱いけど、徐々に気持ちよくなってくるのと同じなんだとか。


なので、体感的には「常に冷やし続ける」というよりかは「熱中症にならない程度の常温を維持する」って感じですね。
ちょっと物足りなさも感じつつ、でも電源が内蔵ではなく外部から引っ張るなら、もっとハイパワーでもよかったんでは?とも思います。

が、こういった冷却アイテムってバランスが難しくて、人間って体を冷やし過ぎると逆に温めようとする機能が働くので、冷やし過ぎも良くないんですって。
熱中症で倒れた人を冷やすアイテムじゃないので、このくらいの冷却能力が丁度いいのかもしれないですね。

ひとまず、最高気温33度の中で4時間ほど走ってもへっちゃらだったので、必要十分な効果は発揮してくれた、ということですね!
今度使うときは、もっと暑い条件下でどうなるか試したいと思います。

【装着・操作感】付けると邪魔になるし、操作もしにくい

次に気になっていたのが、装着感と操作性
着けていてライディングの邪魔にならないかどうかと、バイク乗車中でも操作しやすいかどうかを確かめます。

特に装着感については、購入前から「これ、邪魔じゃね??」と疑っておりました。
私は既に、サンコー製のネッククーラー↓を持っていますが、これをバイクで使うとスゲー首元が窮屈だったんですよね。

そのあたり、バイク専用品なら工夫されてるんだろう!と期待です。

装着例をみても、邪魔そうに見えるが…

で、装着感について結論から申し上げますと…やっぱりまぁまぁ邪魔でした。
特に、冷却機構をカタログ通りの前側に来るように付けると、軽く下を向くだけでヘルメットと干渉します。
まぁそれでも下を向けないほどではないので、そこまで大した問題ではないんですが…

排熱ファンと襟が被る…

もっと困るのは、車線変更時などで真横を見ようと首を振るとさらに強く干渉して、可動範囲がめちゃ制限されます。
頑張ればなんとか見れはするんですが、これちょっと致命的じゃないですかね。

もっと肩に近い低い場所に着けられればいいんでしょうが、どうやら私はそこまで首が長いわけではないみたいで、ちょっと非現実的でした。

疑問犬
疑問犬

世のコミネマンはもっと首が長いのか??

あと、ペルチェ素子の真裏についている排熱ファンが、ライジャケの襟とまともに被ります。
襟を開けるために胸のファスナーもできるだけ開けたりしてみたんですが、完全解決には至らないですね。
(見ての通り、アクションカムをネックマウントしてるので余計に…)


使用例には後ろ向きもある

で、説明書きには冷却機構を後ろ向きに取り付けるのもアリみたいなので、こちらも試してみました。
するとどうでしょう!前向きと比べるとヘルメットとほとんど干渉せず、かなりいい感じでした!

私が装着するなら、後ろ向き一択ですね。
ただ、きつめに装着するとベルトが喉を圧迫してえずきそうになるので、そこには注意かな。

あと、前向き同様に襟が排熱の邪魔をするのは同じなんですが、胸を開けても襟は開放されないので、冷却効果は下がってる気がしました。
襟なしジャケットがあればこの問題はクリアできそうですが、スタンダードじゃないですからねぇ。

その辺に言及するなら、「本当にバイク用に向けて開発してんのか?」と言いたくなります。


続いて操作感
これについては、あまり優先度は高くないのでサクッと行きます。

何故なら、一度ONにしたらパワーをこまめに変えたりOFFにすることが無いからです。
大抵の場合は、HIGHモードでとにかく冷やす!という使い方でしょうからね。

コチラが操作スイッチ。
シンプルな作りで、スイッチ長押しでON/OFF、短く押すとモード切替です。

操作性については…正直イマイチですね。
まずボタンが小さいし薄いから押しにくい。素手ならいいけど、グローブ越しで見ずに操作するのはちょっと大変かな。
ON/OFFやモードが分かりにくいアイテムなので、せめてもっと押しやすいスイッチにしてくれよ!

あと、ケーブルが微妙に短いので、電熱アイテムみたいにジャケットの裾から出して操作するには長さが足りません。
普通に装着すると、操作スイッチがお腹の下~腰あたりに来ますからね。もうちょい長ければ良いのに。

頻繁に操作しないからさほど問題ではないにしろ、このスイッチはやっぱり使い勝手が良くないです。

その割にケーブル全体の長さは結構長いので、このようにいろんな場所から電源が取れます。
私はタンクバッグのモバイルバッテリーから繋ぎましたが、レッグバッグやヒップバッグでも十分届く距離ですね。

で、私のようにタンクバッグなどバイク側から電源をとると、バイクを乗り降りするたびにケーブルを外すかクーラーを外すかしないといけないので、それが結構面倒でした。
夏場は休憩の頻度が高くなるので、意外な盲点でしたね。

これを避けるなら、電源は常に身に着けているレッグバッグやインナーのポケットに入れたモバイルバッテリーから取るのが正解ですかね。
ブレインクーラーを付けっぱなしで休憩中ウロウロするのは正直ダサいですが、手間がかかるよりはいいでしょ。


ということで、装着感・操作感についてはどちらもあまりいい評価ではありませんでした。
旧モデルから改良されたとのことで期待してましたが、まだまだ改良の余地はあると思いますね。

コミネはいつでもライダーの味方なので、さらなる改良に期待してます!

【電源】それなりに消費は多い。バイクからの給電が安心。

最後に電源問題について。
このブレインクーラーは電源を別途用意する必要があります。
逆に言えば、自分の使い方やスタイルに合った場所から電源をとる場所を選べるという事。

私はガンガン使いたい派なので、タンクバッグに入れたモバイルバッテリー(20000mAh)から給電する方式にしました。

使い始めの午後2時→使い終わりの午後6時頃までの4時間で、大体85%→40%ぐらいにまで減ってました。まぁまぁ電気食いますね。

1泊2日などある程度長時間の運用をするとなると、バイクから充電しつつ給電できるパススルー対応の安全性の高いモバイルバッテリーを使うのがベストかな。
私はグリーンハウスのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使ってます↓。

ただ、装着感・操作性の項目でもお話ししたように、タンクバッグなどバイク側からの給電は降車時にケーブルや本体の脱着の手間が発生します。
もし抜き忘れて降車するとケーブルが断線する恐れもあるので、出来ればレッグバッグなど常に身に着ける箇所にバッテリーを入れておきたいですね。
(万が一の転倒時のことを考えると、強い衝撃で発火するリスクの高い3元系リチウムイオンは避けたいですが…)


今時はマグネットで切り離しできるUSBケーブルアクセサリーもあるので、それらを活用してみてもいいかもしれないですね!

【総評】不満はあれど「無いよりはマシ」に救われる

ということで、今回使ってみた感想をまとめると…

・冷たさ …  5分で慣れるが実際には効果がある。排熱ファンをいかに避けるかが難しい。
・装着感、操作性 …  後ろ向きでないと邪魔になる。SWの使い勝手は良くない
・電源 …  ペルチェは割と電気食い。長時間使用なら車両電源が好ましい。

…と、割とどれもイマイチな結果となってしまいました。

が!
それでも私は「使う価値がある」と思いました。

バイクの暑さ対策は他にもいろいろあれど、残念ながら実用的で決定的な効果がある物はありません。
水冷循環式のベストは大げさな荷物を引っ提げなきゃいけないし、ペルチェベストは排熱が上手くいかないし。

これ一つで対策できる!というものが無い今、それなら「無いよりはマシ」なものを地道に積み重ねていくしかないからです。
こんな満足度50%くらいのアイテムでも、猛暑でどーにもならない時は本気でありがたい神アイテムになったりもしますからね。

我慢犬
我慢犬

イマイチやけど…ないよりマシ!

これ一つで熱中症が完全に防げるわけでもないし、快適度が爆上がりするわけでもない。
おまけに使い勝手も良くないけど、それでもこういったアイテムが必要不可欠になっているのが今の日本の夏なんですよね。

春と秋が短く、夏が長くなってしまった今、暑さ対策に投資しても勿体なくは無いはず!
それで走れる期間が増えて熱中症リスクも下げられるなら安いもんでしょう。

…というのが私なりの結論です。
是非皆様の参考になれば幸いです。

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