クッカーに求められるのは鍋としての使いやすさだけでなく、スタッキング性能ではないでしょうか。
「トレイルポットS1200P」は、そのニーズに応えるために生まれた角形クッカーです。
スタッキングしやすい角形デザインがスペースを最大限に活用し、さらにCB缶とバーナーを同時に収納できる点が大きな魅力です。
加えて、こびりつきを防ぐフッ素加工やパックご飯がぴったり収まるサイズ感も見逃せません。
今回は、実際に使用してみた体験をもとに、その実力について詳しくお伝えします。

トレイルポット1200は何が凄い?

トレイルポット1200って何が良いの?

ソロクッカーの「欲しい」が全部入ってるんだ!

トレイルポット1200の魅力は、クッカーに欲しい機能がすべて盛り込まれていること。
特に私が素晴らしいと思う点はこの3つ。
・スタッキングしやすい角形デザイン
・フッ素樹脂コーティングでこびりつかない
・パックご飯が収まるサイズ
これまでいろんなクッカーが発売されてきましたが、私が欲しいと思う機能が全部そろった物は初めてです。
次の項目から、トレイルポットS1200Pの魅力と実力を詳しく解説していきます!
魅力①スタッキングしやすい角形デザイン
なんといっても最大の特徴はコレ。
角形の大き目クッカーなので、中に道具を収納する「スタッキング」性能がめちゃ高いんです。
鍋の内寸は横11.2㎝×縦㎝16.8×高さ7.5㎝で、容量は1.2Lとなっています。
この大きさと形を活かせば、これまでのソロクッカーでは難しかった”CB缶とバーナーの同時収納”だって出来るんです。

私が実践したスタッキングがこちら。
SOTOのガス缶(CBタフ125)と、バーナー(Gストーブ)が入りました。
クッカーの中にガス缶とバーナーが一つに収まるので、パッキングがめちゃすっきりします!
これができるソロ向けクッカーって、今までは無かったんじゃないでしょうか。
素晴らしい!

すげー、ぴったり!

凄い!これがしたくて買ったようなもんだよ~

CBタフ125+Gストーブでトレイルポット1200を使うとこんな感じ。
大きなクッカーと低重心のGストーブとの相性は良く、安定感も抜群です。
魅力②フッ素加工でこびりつかない!
もう一つ嬉しいポイントが、鍋とフライパンにフッ素樹脂コーティングが施されていること。

このおかげで炊飯や炒め物をしても焦げつかないし、汚れもすぐ落ちるので洗い物の手間もグーンと省けます。
お湯や洗剤・スポンジを使わずとも、ティッシュなどで拭き取ればとりあえずきれいになるので、次の料理にもすぐ使えます。
ちなみに私はすすぎ不要の洗剤(エコキッチンクリーナー)を使っているので、クッカーの洗い物はサイト内で完結させています。
洗い物環境が整っていないキャンプ場では、フッ素樹脂コーティングはクッカーの必須条件だと思っているので、これはめちゃありがたいですね~。

まさに、こんなクッカーを待っていました!
フッ素コーティングがどのくらい便利なのか、記事の後半で実際に使った時の様子を載せております。
魅力③パックご飯が収まるサイズ

大きな四角形なので、パックご飯がきれいに収まるんです。
そのままでも完全にお湯に浸けることができるので、湯煎の時に”無駄な手間”がかかりません。

”無駄な手間”とは、まさに↑これのこと。
一般的なパックご飯って縦長形状のものが多いので、ソロ向けクッカーだと半分しか浸かりません。
だから、お湯たっぷりでも湯煎の途中でひっくり返す必要があるんですよね~。
ただでさえ時間がかかるパックご飯の湯煎。半分ずつしかできなければ所要時間も倍かかります。
もちろんそれだけ燃料も必要になるわけですから、トレイルポット1200のような鍋に収まる形状だと「すごくありがたい」んです!

パックご飯が入る様に設計したんだって。素晴らしい!
実際に使ってみたら:使い勝手は抜群でした!
それでは、実際のキャンプツーリングで使ってきたときの様子をお届けします。
バイクで使うときの収納や使い勝手、サイズ感などに注目してご覧ください。


まず便利なのがパッキングしやすいこと。
四角型なのでバッグの隅にもキレイに入り、ムダが無くて気持ちいい!
今回はサイドケースにツアーシェルケースを使用しましたが、インナーケースにもビタッ!と入りました。
大き目の丸型クッカーだとどうしても端にデッドスペースが生まれますが、トレイルポットならそれがありません。
参考ツアーシェルケースに無印の箱がシンデレラフィット

まずは昼食に、フライパンで餃子を焼いてみました。
大き目サイズなので、5個×2列で10個の餃子を一気に焼くことができます。
比較的大きな鍋なんですが、火口の小さなバーナーでも部分的に焦げることなくキレイに焼けました。バーナーパッドを使った効果もあるんですが、熱伝導率が良いんでしょうね~。

ちなみに、これまで愛用していたパックアウェイソロクッカー(直径12㎝)では、5個が限界でした。
丸型クッカーだと並べにくいし無駄なスペースが生まれるので、角形の方が料理しやすいですね!

フライパンの場合、蓋は完全に閉まりませんが載せることは出来ます。
蒸し工程なら問題なく使えました。これで餃子もうまく焼けますね!

ちょっと物足りなかったので、追加でウインナー炒めも作りました。
フッ素加工のおかげで、油をひかずともサラサラした状態で炒めることができます。

炒め物の後がこちら。
油をひいていないおかげで汚れも少なく、焦げ付き・こびりつきもありません。
これが、フッ素コーティングの実力!

次は夕食。
深鍋で炊飯をしてみましょう。米一合を水を入れてみました。
深鍋には水の目盛りとは別に炊飯用の目盛り(右の1~4の数字)がありますが…
てっきり米+水の状態の目盛りかと思っていましたが、そうではなく「米の計量用」の目盛りなんですね。(米1合は180ml)
これはこれで便利ですが、この広いクッカーに米を均等に広げて計量するのはちょっと面倒かも。
それならやはり、家庭の炊飯器みたいに米+水の状態の参考目盛を付けてくれた方が使いやすいかも。

お米って大体、使う分だけ計って持っていくからね~…

炊飯後の様子がこちら。
大きい鍋に火口の小さなバーナーで少量の炊飯なので部分的に焦げるかな?と思いましたがそんなこともなく。
もちろん、フッ素加工のおかげでこびりつきもありません。
初めてにしては、なかなかいい感じに炊けてると思います!
詳しい理由は分かりませんが、炊飯って小さい深鍋よりも広い浅鍋でやった方が美味しく炊きあがる気がします。
ご飯を蒸らしている間に、次の料理をしましょう。

続いてはメインディッシュ、豚肉のステーキをフライパンで焼いてきます。
300gぐらいの量があるんですが、大きいフライパンなので一度にまとめて収まりました。
底の縦溝に余分な脂が落ちるので、焼肉にも向いていると思います。
ステーキをしていて感じたのは、若干焼きムラがあったこと。
火口に近い中心付近が先に火が通り、端の方はまだ加熱が不十分…ということがありました。
これはバーナーとの相性があるのでクッカーだけの問題ではないですが、大きい鍋では仕方ないですかね。
でもこれ、考え方次第ではメリットにもなります。
それは、焼けた肉を食べている間に次のお肉を加熱できる時間が生まれること。
もし一気に焼けてしまうと、2枚目、3枚目を食べるころには焦げていた…なんてこともありますからね。
次のお肉は中心にずらして加熱する、まだ食べない時は端っこに寄せて保温する。
大きいフライパンだからこそ「ゾーン分け」ができるんだなぁ、と気づきました。

ソロキャンプでお肉を一気に焼くと、冷めちゃうからね~

焼いたお肉は蓋に移してお皿代わりにし、残った脂を利用して野菜炒めを作りました。
炊き立てご飯、お肉、野菜炒め。そしてお気に入りのお酒があればもう一人大宴会の出来上がりですね!
クッカーを食器代わりにして食べる時、角があるので口に掻き込みやすいのがいいですね。
これまで使っていた丸型クッカーではこぼれやすかったので、ここら辺も角形クッカーの良い所だと思います。
ちなみに、ステーキや炒め物は強めの火力で作りましたが取っ手が熱くなることはなく、素手でも普通に掴めました。
従来のクッカーだとグローブや取っ手カバーが必須でしたが、これなら一つ手間が省けますね!

これは朝食のパンをリベイクしているシーン。
ボリュームのあるお総菜パンですが、フライパンにピッタリ入りました。
パンを切ることなく焼くことができるのも、ちょっといいポイントですね~。
これなら、ピザパンとか焼きそばパン、ホットドッグなんかも入るんじゃないでしょうか!

昨日の残った野菜とウインナーを使って、野菜スープも作りました。
クッカーの角を使えば汁物を移すのもこの通り、こぼさずに出来ちゃいます。

やはり角クッカー、正直良いことしかない!

やはり角クッカー、全てを解決する…
ここがイマイチ:蓋の持ち手が使いづらい
そんな良いことづくしのトレイルポット1200ですが、1点だけイマイチだな~と思うことがありました。
それは、蓋の持ち手の位置が悪いこと。

なぜか持ち手が真ん中ではなく端っこについています。
蓋の取っ手自体もちょっと長くて外側から掴めるようになっているので、持ち手自体は熱くはないのですが…

↑公式サイトの画像を見ても分かるように、これだと開けた時の蒸気が手を直撃します。
実際、開けた瞬間に「熱っ!」となることが何度もありました。
サッと持ち上げようにも蓋が斜めになるので、鍋に引っ掛かったり裏の水滴が落ちたり…。
レザーマンのペンチ機能で持ち上げようとしても、持ち手がプラプラして上手く持ち上げられません。
何のために持ち手を端にしたのか分かりませんが、ここは普通に真ん中にしたらいいのに…と思いました。

改善、求む!!
一回り小さい「900」も新登場
そんなトレイルポット1200、最近になって一回り小さい「900」が新登場しました。
1人用の炊飯や湯沸かし、ラーメンなどにも最適な容量0.9Lモデルです。
公式ページはこちら。

もちろん、1200の中にスタッキングすることができます。
うーん!1200がこれだけ良いアイテムなら、900も欲しくなりますね~。
ところが、出たばかりの900は大人気で売り切れ続出。ちょっと買えそうにありません。
だけど、これってもしかして「アレ」で代用できるんじゃ…?

そう、フィールドアのメスティンです。
こちらもノンスティック加工が施されたソロ向け角形クッカーで、サイズ感が900とよく似ています。
これが1200の中に入るかどうか、試してみましょう。


あー!惜しくもわずかに入らない!!
持ち手の部分がギリギリ引っ掛かります。残念~。
ということで、フィールドアのメスティンは中に入りませんでした。
900の再販を待ちたいと思います。
まとめ:収納性と使い勝手の融合!
以上、トレイルポットS1200Pの実力をレビューしてきました。
実際に使ってみて感じたことをまとめると…
・CB缶とバーナーが同時収納できるほど、高いパッキング性能
・フッ素加工でこびり付きにくく、料理も掃除もしやすい
・大き目サイズで料理がしやすい
といった点が印象的でした。
中には「ソロには大きすぎる」と感じる方もいらっしゃるようですが、特に私はそう感じませんでした。
大きいからこそ活きるスタッキング性能、どんな料理にも対応できる懐の大きさがあると思っています。
見た目もかっこいいし、質感もギア感があって良い!
ちょっとお値段が高いので初心者にはおすすめしづらいですが、コンパクト収納と高い汎用性を持った万能クッカーが欲しい!といった方にはピッタリではないでしょうか。
ソロキャンプ向けクッカーの最終装備といっても過言ではないトレイルポット1200、おすすめです!

これは、買って良かった!
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