イワタニから念願のガスヒーターが復活しました!
その名もアウトドアヒーター。
CB缶を使うコンパクトなモデルなので、冬のキャンプツーリングにもきっと使えるはず!
この記事では、バイクキャンプなどで使うことを想定しながら
と言った点を重点的に見ていきたいと思います。
現状、バイクで持ち運べるサイズ感でCB缶を使うガスヒーターはコレ以外ほぼありません。
果たして、コンパクトヒーターとしてしっかり使えるポテンシャルを持っているのでしょうか?
期待の新製品!厳しく見ていくで〜〜
↓簡単な動画も作成したので、よかったら見てね〜。
[概要]イワタニ アウトドアヒーター FW-OH01
アウトドアヒーターFW-OH1は、イワタニから2023年8月から販売された新型のガスヒーター。
経済的で入手しやすいカセットボンベを使用し、コンパクトに収納できるのが特徴です。
Amazon・楽天では1万円を切るくらいの価格で販売中。
かつて発売されていた“ジュニアヒーターCB-JRH-2”とほぼ同型であり、その復刻版とされています。
冬になると価格が高騰し続けたり在庫切れになるので、欲しいと思ったら早めにチェックしておきましょう!
(左)内容物は本体とパワーブースター、収納袋と取説。
(右)足を展開するとこんな感じ。思っていたよりちょっと大きいですね。
後ろ姿はこんな感じ。
反射板の裏側に点火スイッチ、ガス調整ノブ、ボンベ取付箇所があります。
点火スイッチの上にはさり気なく“FORE WINS”のロゴがあって、よき!
(左)横から見ると、パワーブースターが反射板を貫いてボンベ側に抜けているのがよく分かります。
(右)ブースター本体。ヒーターの熱をボンベに伝え、燃焼の手助けをするための物です。
ブースターは刺すだけの構造になっており、特に固定するようには出来ておりません。
マグネットでボンベにくっつくので、普通に使っていれば抜けることはありません。
ボンベをセットするとこんな感じ。本体を支える足が結構大きいので、安定感があります。
芝生や砂利の上でも安全にヒーターを置くことが出来そうですね。
高さもあるので地面へ熱が伝わることもなく、足の長い芝生があっても燃えたりすることはないでしょう。
足が長いのはいいですね〜。あ、僕のことじゃないよ。
[火力]意外なほど遠くまで暖かい!実用距離計測。
まずは、一番気になる火力・暖かさについて検証していきます。
スペックでは発熱量:1.28kwとありますが、それがどのくらいの物なのかは分かりませんよね。
ここでは分かりやすく、「何cmの距離でどのくらい暖かく感じるか」を見ていきます。
気温5度のガレージ内で、火力全開のヒーターに正面から手を近づけ、「暖かい」「熱い」と感じる距離を測ってみました。
イワタニ アウトドアヒーター:有効距離60cm
イワタニは、60cmあたりで十分な暖かさを感じました。
そのまま手を近づけていき、30cmで「熱っ」と感じるぐらいの熱量です。
イワタニの場合、人との距離は30cm以上離し60cmほどが適正距離、ということになります。
思っていたより遠くまで熱が届いているな〜と感じました。これは予想以上だ!
ちなみに、イワタニのアウトドアヒーターは角度を上向きに変更することも出来ます。
結構しっかりと暖かい方向が変わるので、上半身を温めたいときなど重宝します。
ユニフレーム コンパクトパワーヒーター:有効距離35cm
比較対象として、私が愛用していたユニフレームのコンパクトパワーヒーターを出してきました。
こちらのスペックは最大熱量が約0.9kw。イワタニよりワンランク下がりますが、どの程度違うでしょうか。
なんと、暖かいと感じるのが35cm、熱い距離は20cmという、かなりのショートレンジでした。
確かに「結構近づかないと暖かくないな〜」とは感じていましたが、こんなに差がでるとは。
そして、暖かいと熱いの範囲がめちゃくちゃ狭い点にも注目。
ちょっと近づけすぎるだけで急に熱くなるので、ヒーターとの距離感がシビアということが分かります。
こんなに違うもんなんだね〜。
燃焼の音はちょっと大きい
こういったガスヒーターは、シングルバーナーと比べて燃焼音が大きい傾向にあります。
実際、イワタニのアウトドアヒーターも「ゴォォォ」と、結構な音がします。
夜など静まり返った場面では、ちょっと音が悪目立ちするかもしれません。
ユニフレームのパワーヒーターと比べると、ややバリバリバリ!といった音が目立つように感じます。
分かる人は少ないでしょうが、F-15戦闘機のアフターバーナーみたいな音がします。(比較動画)
そんなん誰が分かんねん…
同じ条件下でイワタニとユニフレームの燃焼音を撮ってみましたので、参考にどうぞ↓
[持続時間]フルパワーで160分、中火でも5時間持続!
暖かさは十分ということは分かりましたが、次に気になるのは持続時間ですよね。
いくら暖かくても、すぐ燃料切れになってしまうのは困ります。
アウトドアヒーターの連続燃焼時間は160分(2時間40分)というスペックです。
使用するガスの種類によって若干差はありますが、ほぼ同じくらいの時間です。
※ 容量の小さいジュニア缶は75分
2時間40分と聞くと、正直「結構短いな〜」って感じません?
でも、これはあくまで全開で燃やし続けた場合の数値。寒さに応じて火力を絞ればさらに時間を伸ばすことは出来る“はず”です。
“はず”と言うのは、まだ私がそこまで検証できていないから…。
ですが、実際に火力を落としてガスの消費を抑えることは可能ですので、いずれしっかりと検証をしていきたいと思います。
24/1/10追記
実際の冬キャンプでどのくらい使えるか試してきました。
結論、火力調整すれば5時間ほど使えるということが分かりました。
使用条件は以下の通り。
・使用ガスは東邦のゴールド缶
・気温は日中:10度程度、最低気温:−1〜2度
・火力は常に弱〜中火
18時30分 使用開始(弱〜中火)
22時 就寝のため消化 ここまで3時間30分
翌朝6時半 再び使用開始
8時頃 ガス切れ 合計5時間稼働
結構持ちますねぇ。ソロキャンプなら中火でも十分暖が取れたよ!
参考程度ですが、残り少ない東邦ノーマル缶でどのくらい使えるか検証してみました。
残量は指の辺り、大体4分の1くらいでしょうかね。
結果、30分経過しても燃焼し続けることが確認できました。
本当は消えるまでの時間を測りたかったのですが、予想外の長持ちに途中で断念しました。
意外と長持ちするね!コレ。
ただし、最後の方は明らかにドロップダウンによる火力低下が発生していました。
東邦のノーマル缶とイワタニのオレンジ缶は同じ成分(推定)なので、オレンジ缶でも同様のことが起きると思われます。
後ほどデメリットでも挙げますが、パワーブースターがほとんど働いていない気がしました。
[収納]バイクでも持ち運べるコンパクトサイズ
バイクで持っていくのに絶対チェックしておきたい収納サイズ。
イワタニ アウトドアヒーターは幅181mm*奥行208mm*高さ169mmという寸法ですが、どのくらいコンパクトなのか見ていきましょう。
比較対象は、同じくコンパクト収納できるユニフレームのコンパクトパワーヒーターUH-Cです。
実際に横に並べてみると、イワタニ製の大きさがよく分かりますね。
反射板も大きく足も長いので、何もかもユニフレーム製より一回り大きい感じ。
折りたたみ式とは言え、長い足と大きな反射板はやや嵩張る要因と言えそうです。
直径12cmのクッカーやCB缶と並べると、そのサイズ感がよく分かるかなと思います。
ま、確かにちょっと大きくは感じますが、バイクで持っていくのに困るサイズではないですね。
[安全]揺らしても炎が上がらない安全設計
火を扱う製品なので安全面が気になる所ですが、そこは流石のイワタニ。安全性能もバッチリです。
特に素晴らしいと感じたのが、持ち運んだり傾けても全く炎が上がらないこと。
このように大げさにブランブラン揺さぶっても、バーナーからは全く炎が上がらずに燃焼し続けます。
持ち手が付いていることもあり、燃焼させたまま持ち運ぶことも想定した設計になっていますね。
そういった配慮がされていない海外メーカーの安物ヒーター・バーナーは、だいたい炎が上がります。
炎で腕などをやけどしたり、燃えやすい衣類に燃え移るなどリスクがあるので、ガス製品は信用できるメーカーを選びましょう!
[短所]ここが残念ポイント
ここまで良いところを紹介してきましたので、次はイマイチかな〜と感じた点をご紹介。
残念ポイントは以下の3つ。
1つ1つ、詳しく見ていきましょう。
寒いと点火しづらい
気温3〜5度の環境でテストした際は、本体の点火スイッチでは着火出来ませんでした。
これは点火スイッチの不具合ではなく、ガスが寒さに対応できない物だったのが主な原因と思われます。
今回はスライドガストーチで強制的に着火させました。
でも、SOTOのST-310などレギュレーター付きのガス機器は同じ条件でも一発着火してくれます。
寒い状況下でこの使うヒーターにも、そのような機構・工夫で着火しやすくなってくれると助かります。
ちなみに一度燃焼させてやれば、完全に冷めない限りは2回目からはすんなり着火してくれます。
大きなデメリットではないですが、初めて使う人はちょっと焦るかもしれないですね。
ドロップダウンが起きる
2個目の残念ポイント。コレが今回最も残念なところでした。
燃焼を助けるためのパワーブースターがまともに機能しておらず、普通にドロップダウン→火力低下が発生します。
解説 ドロップダウン…ガス缶が冷え、火力が低下すること。外気温が低い、燃焼によるガスの気化熱などが原因。
アウトドアヒーターには、燃焼熱をガス缶に伝えることで燃焼を助けるパワーブースターという機構が付いております。
この機構がついているのが購入の決め手で、「寒くてもしっかり燃焼するはず!」と思っていました。
しかし実際に使ってみると、フルパワーで燃焼させても熱がブースターまで届かず、ボンベは冷えたまま。
これではブースター(ヒートパネル)として、ほとんど機能していないように感じます。
↑こちらの写真は、パワー全開なのにブースターが機能せず、ドロップダウンした際の火力です。
明らかに弱く頼りないです。これでは、ヒーターとしての能力を十分に果たせていません。
素手でボンベを握ると途端に火力が復活するので、ガスの残量の問題じゃないですね。
これじゃ〜意味ないよイワタニさーん。俺の使い方が間違ってる?
「ブースター付きなら安いCB缶でもしっかり燃焼できて経済的!」と期待していましたが、正直期待外れでした。
対策としては、寒さに強いパワーゴールド缶などのイソブタン配合率の高いガスを使うしかないですね。
正直、イワタニのゴールド缶は高いです。
なので、おすすめは東邦のゴールド缶。
ほぼ同じ成分バランスでありながらお値段も圧倒的に安いです。
詳しくはイワタニ風暖レビュー記事の「CB缶を使い分けよう」に記載しております。
※アウトドアヒーターは同社のオレンジ缶、ゴールド缶のみを推奨しておりますので自己責任で!
収納袋が使いづらい
これは口コミでもよく見かける内容ですが、付属の収納袋があまりにも不親切です。
そこそこ大きい本体であるにも関わらず、袋にはマチがなくとても出し入れしづらいです。
折りたたんだ足が広がって引っかかりやすいこの構造なのに、こんな袋じゃ出し入れしにくいに決まってます。
おまけにパワーブースターも一緒に入れることになるので、中でカチャカチャぶつかってしまいます。
袋にもコストはかかるにせよ、「こんなんでいいだろ」って意図が見えた気がしました。
ちょっとお粗末すぎや〜しませんか、イワタニさん。
ちなみにユニフレームのは、本体サイズに合わせた立体的な丸いマチ状の袋になっており、非常に出し入れしやすいです。
出し入れで曲げたり壊れたりするのは嫌なので、イワタニもこういうのにして欲しいですね!
[まとめ]貴重なコンパクトガスヒーター、冬キャンプにいかが?
ということで、イワタニのアウトドアヒーターをレビューしてまいりました。
トータルで感じた、私の感想をまとめますと
といった感じでした。
寒さに弱いという面がやや気になりますが、CB缶を使うヒーターの宿命ですかね。
本当に防寒用として使いたいなら、ケチらず寒さに強いCB缶を揃えて持っていきましょう!
そこさえクリアできれば、この価格とサイズで暖かさをゲットできるなら、結構破格じゃないかな?と思います。
イワタニって「物は良いけど高い」ってイメージが有りましたが、正直このヒーターは安いと思いました。
さすが、イワタニが得意とするガス機器の分野ですね!
ヒーターがあれば、寒い冬キャンプでもかなり快適度がアップします。
特に私は焚き火をしないので、暖を取る手段はガスヒーターなどに頼るしかありません。
すぐに点火/消化が出来て火力調整も出来るガスヒーターは、本当にあると便利です。
寒い冬でも楽しく快適にキャンプしたい!と考えているならば、是非ともおすすめの一品です。
今では、CB缶を使うコンパクトなヒーターはこれしかありません。
数年前まではユニフレームのコンパクトパワーヒーターもありましたが、すでに廃盤。
バイクでCB缶のヒーターを使いたいなら、これしか選択肢はありません。
冬の防寒需要で売り切れになることもありますので、検討中の方はお早めに。
キャンプのほか停電などの災害時にも暖を取れるので、防災用品として購入されるのも良いと思います。
車でのキャンプには風暖もおすすめ
「もっと暖かいCB缶ヒーターが欲しい!」という方は、同じイワタニの風暖がおすすめです。
こちらは熱反射ではなく熱風が出るガスストーブなので、空間を暖める能力がめちゃ高いです。
収納サイズは大きくなるのでバイクでの持ち運びは難しいですが、車でのキャンプなら問題なし。
電源も必要なしで、軽くて持ち運びやすいのにハイパワー。ほぼ家電レベルの快適さです。
参考 イワタニの風暖は冬キャンプで大活躍!パワーや注意点をレビュー
我が家はコレで、冬キャンプ出撃率がグーンと上がりました。
ガスヒーターを手に入れて、少しでも長い時期キャンプを楽しみましょう!
それでは〜。
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