
エアーマットって断熱性がないって本当?あんなに分厚いのに・・・
エアーマットは冬キャンプに使えないって話、聞いたことありませんか?
厚みが5cm〜10cmもあるようなマットなので、いかにも断熱性は高そうに見えますが・・・
実は、エアーマットの断熱性ってめっちゃ低いんです。
寒い時期にエアーマットで寝ると「対流」という現象が起き、背中が冷たくなって快眠どころでは無くなってしまいます。
今回は、そんな「意外と知らないこと」に対する注意啓発記事となっております。
この記事では
について書いています。
難しい理屈までは分からないので、実際に対流による底冷えを体験してきました。
その結果「これは知らないでいたら、大変なことになるな・・・」と感じました。
軽量コンパクトで寝心地の良いエアーマットですが、使う時期・気温は超重要!
道具が悪いという事ではなく、正しい選び方と使い方を覚えよう!ということで読んでいただければ幸いです。
【警告】エアーマットで発生する「対流」とは何か?

冒頭でも申し上げたように、寒い時期にエアーマットだけで寝ることはおすすめしません。
エアーマットは断熱性が低く、地面の冷たさがそのままマットに伝わってしまいます。
その結果、背中がどんどん冷えてきて寝れなくなる、いわゆる「底冷え」状態になります。
これは、エアーマットの中で「対流」という現象が起こるからです。
エアーマットにおける対流現象を、私なりの解釈を加えてわかりやすく解説してみました。
冷たい地面と暖かい人間に挟まれたエアーマットは、その温度差によって空気が混ざり合う現象(これが対流)が発生します。
冬の寒さパワーは強いので、いずれ 人間の熱<寒さ となり、マットが外気温並みに冷えてしまうんです。
エアーマットは空気の層がひとつなので対流が発生しやすい、というのが構造上の理由となっています。
ウレタンマットやインフレータブルマットでは発生しません。
【実験】気温5度、エアーマットで寝るとどうなるか
なんとなくの理屈は分かったところで、本当にそんなことが起きるのか疑問が残ります。
冬キャンプって言っても、気温が何度くらいのことを言ってるのかも分かりません。
そこで、実際に私が持っているエアーマットを使って、対流による底冷えが起きるのか試してきました。
条件は以下の通り。
・最低気温5度。平地の冬、または山間部の春秋ぐらいの寒さ。(極寒ではない)
・エアーマットは3,000円程度の、断熱加工の無い一般的な物を使用。厚みは6cm。
・シュラフは-3度でも快適に寝られる物を使用する(シュラフが冷えの理由ではない)
・冷えを感じたら、断熱性のあるマットを併用して違いを確認する。


このように、インナーテント→エアーマット→シュラフという状態です。
テント下にグラウンドシートは敷いていますが、ペラペラのビニールシートなので断熱性はありません。
午後22時頃、気温5度でシュラフに入って実験スタート。
それまでガスヒーターで軽く暖を取っていましたが、基本的には体は冷えています。
横になってすぐは、特別寒さは感じません。割と普通に睡眠に入りました。
午前2時頃(就寝から4時間後)、寒さで目が覚める。
シュラフは暖かいはずなのに、背中がめっちゃ寒い。特に上半身がすごく寒い。
完全な底冷え。とても眠れそうにないので、ここでギブアップ。

氷点下じゃなくても、こんなに寒く感じるとは思わなかったよ…
【対策】断熱性の高いマットと併用すればOK
それでは次に、底冷えを感じた状態から対策を取ってみました。
断熱性があるサーマレストのZライトソル(R値2.0)をエアーマットの下に敷き、どう変化するか確認です。
もしこれで冷え感がなくなれば、間違いなく対流による底冷えが発生したと見て良いでしょう。

こんな感じで敷きました。
この作業を寒くて眠い夜中2時にやってた訳ですから、自分事ながらお疲れ様です(笑)
サーマレストを敷いてから、徐々に背中の冷えが収まりジワジワと暖かくなる感じがありました。
厳密には、暖まるというよりは自分の体温に近づいただけなんでしょうが、それでもさっきまでとは全然違います。
そのままいつの間にか就寝。
翌朝6時。目覚ましが鳴るまで一度も目を覚ますこと無く熟睡。
言うまでもなく、明らかに底冷えが解消されました。
エアーマットがいかに地面の冷たさを伝えるかが、よーく分かっていただけたと思います。
ちょっとした断熱性のあるマットを一枚挟むだけでも、対流による底冷えはかなり改善できます。

さほどR値が高くないマット一枚でも、ココまで変わるか!
・気温5度でもめっちゃ対流するし、めっちゃ底冷えする
・シュラフのスペックが余裕でも、底冷えには無力
・R値2.0でも、底冷え解消に効果がある
・寒い時期にエアーマットだけで寝るのはマジで無理!!
底冷え解消!手段別おすすめマット3選
この結果から、いかにマットの断熱性が重要であるかが分かりました。
春秋キャンプであればR値2.0程度でもよいですが、氷点下近くになるとR値4.0ぐらいはほしい所。
これまでの私の経験から、おすすめのマットをご紹介しておきたいと思います。
安く済ませられる物、バランスの良い中間的なモデル、機能満載のハイスペックマットの3つを取り上げてみました。
ご予算や目的に応じて選んでいきましょう!
エアマットを活用するなら、ウレタンマットと併用がコスパ◎
エアーマットをそのまま使いたいのであれば、私が実験したようにウレタンマットを下に敷くのが最も安上がりでしょう。
バンドックのフォールディングマットEXは片側にアルミフィルム加工されており、体温の反射効果も期待できます。
R値はスペックにありませんが、2.0程度あると思われます。
ウレタンマットの弱点である寝心地の悪さはエアーマットが補ってくれるので、結構良いコンビですよ!
マット1枚で完結したいならインフレータブルマット
「エアーマットとウレタンマット、2つも持っていくのは面倒だし嵩張るよ!」
「でも断熱性と寝心地は両立したいよ!」
って人は、対流の心配がないインフレータブルマットがお勧めです。
私の一押しはシートゥサミットのキャンププラスS.Iマットのレクタ型。
断熱性能は真冬でも使えるR値4.3、エアーマット並みの厚み7.5cmで寝心地も抜群です。
関連シートゥサミットのマット2種類を比較。おすすめモデルはこれだ!
軽量コンパクト×超高断熱を誇る最強マット
エアーマットに高断熱性能を持たせた究極のマットが、サーマレストのネオエアーXサーモ。
R値は6.9、厚みは6.4cmでありながら収納サイズはΦ10×28cm(RWの場合)とかなりコンパクト。
すべての性能がぶっ飛んでいる最強マットは、お値段も最強です。誰もが憧れる最終装備ですね。
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