
ワンポールテントとタープを繋げているのを見かけるけど、あれってどうやるの?
ワンポールテントにタープを繋げて張っている人、よく見かけますよね。
アレの正しいやり方って、皆さん知ってますか?
なんとなくで真似してしまいがちですが、やり方を間違えるとテントの破損や思わぬトラブルに繋がることがあります。
特に風の影響を大きく受けるので、正しい方法やデメリットをしっかり理解しておくことが大事です!
この記事では、以下のことについて書いています。
ここでは3つの方法をご紹介しますが、テントによってはやってはいけない方法もあります。よく確認したうえでチャレンジしてみてくださいね。
タープ接続は簡単にできて見た目もカッコいいので、個人的にもおすすめです!
手っ取り早くおすすめの方法を知りたい方はこちら(記事の下へジャンプします)
【基礎】ワンポールテントにタープを接続するメリット

私が考える、ワンポールテントにタープを接続するメリットは、主にこの3つ。
①設営済みのテントポールがタープポールを兼ねるので、ポールは1本追加するだけです。
ポール1本分の荷物が減らせるわけです。
②テントのポールを使えるということは、片側のポールが自立した状態からタープを立てられるということ。
タープ設営で一番面倒な作業が半分済んでいるので、1人でも簡単に立てることが出来ます。
(誰かもう一人が、片側のポールを抑えてくれているのと同じ!)
③テントに重ねてタープが張れるので、2つ別々に張るよりスペースが節約できます。
出入り口や前室の上にタープが来るので、使い勝手の良いレイアウトが可能になります。

ワンポールテントは、テントを閉めないと雨や直射日光を凌ぐことが出来ません。
タープを接続することで前室が延長され、悪天候でも快適に過ごせる空間を確保することが出来ます。
状況に応じて、前室を延長するためのタープ接続というワザ、ぜひ覚えておきたいですね!
タープを接続する方法3パターン
タープを接続する方法3のうち、違うはテントとタープの固定方法だけです。
直接固定したり、別の道具を使って固定したり、あるいは固定せずに接続する方法もあります。
それぞれの特徴をご紹介していきます。
前述の通り、テントによっては禁止されている方法もあります。テントの説明書を確認しておきましょう。
①テント頂点のループを使う(非推奨)


ワンポールテントの頂点にループ(輪っか)があれば、ここにタープを繋げることが出来ます。
最も単純で簡単な方法です。いかにもつなげてくれ!と言わんばかりの構造。
ですが、この方法は基本的におすすめしません。
テントによっては、ループを使ってタープと接続することを禁止しているテントが多いです。
その理由は、ループは強度が弱いためにタープを接続するとちぎれてしまう可能性が高いから。
取説に接続禁止と書いてあればまだマシで、そもそも記述がない場合もあります。
それは「繋げてOK!」じゃなくて、そもそもタープ接続を想定していない可能性もあります。
はっきりOK/NGが分からなければやめておいたほうが良い、という意味での非推奨です。

じゃあ、何のためのループなのよ・・・?
パンダタープの取説によると、テントのループはタープを接続する途中の工程でのみ使う、とあります。
つまり、「あくまで仮の位置決めをしておくための物であって、本固定には使わないで!」ということ。
テントのループは収納時に使える
このループ、実はテントを片付けるときにめっちゃ使えるんです。
たたみ方が分かりにくいワンポールテントを簡単にきれいに畳む裏技があるんですが、そのときに使います。
詳しくは下の記事で紹介していますので、あとでゆっくりとご覧ください。
※ 記事ではパンダTCで紹介していますが、ほとんどのワンポールテントで応用できます。
②テントにタープを被せる


2つ目は、テントにタープを被せるやり方です。
見ての通りのシンプルな方法で、テンマクデザインのパンダタープなどがこの方法を採用していますね。詳しいやり方は製品の取説をご覧ください。
①のようにループを使わないので、テント生地への負荷はありません。
パンダタープのように一部製品ではあるものの、公式にOKとされている方法なのも安心ポイント。
この方法の注意点としては、タープの被せる部分に十分な強度が必要です。
大手メーカー品ならば大抵問題ないですが、安物だと補強なしだったりするので、ちょっと不安ですね。
ちなみに、パンダタープはこの部分に当て布がされていて強度は十分です。
また、接続途中では強く固定できないため、強風時の作業性にも難があります。
バシッと固定するまでは、風に煽られてタープが外れるので、めっちゃ大変なんですよね…。

これも、あんまり好きじゃないカモ〜
③タープアダプター(トンガリハット)を使う


3つ目が専用のタープアダプターを使う方法です。
作業性がよく、これが1番のおすすめです。
タープアダプターは円錐状の形をしており、ロープ用とタープ接続用の穴が計3つ空いています。
これをテントに被せることで、タープ接続が出来る仕組みになっています。
②と違い、位置がずれたり外れることもないので作業性もバッチリ。
かつては有志の方がアダプターをDIYしてメルカリなどで販売していましたが、ついにメーカーが製品化しました。
それがDODのトンガリハットという商品です。
大きなデメリットもないし、価格も非常にお手頃。
これ一つでテント+タープのレイアウトが簡単に行えるので、ちょっとした革命的なアイテムですね。
タープを接続したいなら、タープアダプター(トンガリハット)をおすすめします!

めっちゃ簡単にできそう!!
タープアダプター(トンガリハット等)での接続手順
それでは、アダプターを使った接続方法について詳しくご紹介していきます。
写真ではパンダTCとミニタープHXで行っていますが、基本的にどんなテント・タープでも同じです。
今回は小さめのテント(パンダTC)に取り付けるので、テント設営後からの説明になります。
背の高いワンポールテントの場合は、設営時にアダプターを被せておくと楽ですね。
(参考)トンガリハットの取説
①アダプターのロープを、後ろ側のペグへ引っ掛ける

まず始めに、アダプターのロープ2本をテント後ろ側のペグに掛けます。
ペグはテント固定用の物を共有しても良いですが、その場合は長いペグにするなどしたほうが良いですね。
ソロテント+タープの場合、風がなく地面にしっかり刺さるのであれば20cmクラスのペグで。
不安があるときは30cmクラスのペグを使うのがオススメです。
大型のテント・タープを使用で大きなペグがない場合は、タープ用で別途ペグダウンしたほうが強度が出ます。
手持ちで大きなペグがない場合は、ロープ1本に対して2本ペグダウンする方法を取りましょう。
それでも不安があるとき(強風時)は、タープ張るのをやめましょう。
②アダプターを被せる

アダプターをテント頂点に被せます。
軽くテンションがかかる程度にロープを調整し、アダプターが外れないようにしましょう。
※ 背の高い大型テントの場合は、設営時にあらかじめアダプターを被せておきましょう。
③タープとアダプターを接続

テント前側に回り、アダプターとタープを接続します。
アダプターとタープの接続にはカラビナ・ロープなどを使います。
私のおすすめは、アダプターとタープをカラビナで最短距離でつなぐ方法です。
ロープなどを介して距離が長くなると、風でバタつきやすくなります。
④反対側のポールを立てる

ココまで来れば、あとは通常のタープと同じ要領になります。
ポール用のペグを打ち、タープ側のポールを立てて自立状態に持っていきます。
既にテント側のポールが立っているので、一人でもタープ設営難易度がぐんと下がります。
ありがたい!
⑤サイドのペグダウンをして完成

最後に、タープのサイド側をペグダウンすれば完了です。簡単でしょ?
写真のような小型タープであれば、5分ほどでタープを張ることが出来ます。
タープ設営でいちばん大変な「ポールを自立状態に持っていく」作業が簡略化されるので、タープ単体で設営するより簡単になります。

私はこれで、タープを立てました
デメリット①テントとのすき間ができる

タープアダプター(トンガリハット)を使用した場合、タープとの間にわずかな隙間が発生します。
雨がこの隙間から入り込んでしまう、という弱点があります。
「せっかくタープを繋げたのに、テントへの出入りで濡れるじゃないか!」
と思っていましたが、実際に使ってみたらほぼ気にならないレベルでした。

テント出入り口はテント頂点まで全開になっている訳じゃないので、出入り口を開放していても
ロールアップしたフライを伝って、ほとんどが地面に落ちていきました。
雨の日はほぼタープ連結して過ごしていますが、隙間からの雨で困ったことは一度もありません。
意外と、そこまで気にするデメリットじゃないですね。
(対策)フライシート跳ね上げで低減できる
使えるテント・条件は限られますが、隙間をカバーできる対策もあります。
フライシートを跳ね上げて隙間を無くしちゃおうという、半ば強引な方法ではありますが…。
ひとつの選択肢ってことで、参考にしてみてください。
デメリット②テントを先に設営する必要がある


この方法では、テントを立ててから出ないとタープを接続できないです。
キャンプではよくある
「雨や日差し対策で、とりあえず先にタープを立てる」
という手段が使えないので、ここは要注意ポイント。
逆に、撤収時の
「最後までタープを残して、屋根下で片付ける」
といったことも当然出来ません。テントありきの接続方法ですので…。
(対策)小川張り、またはXPタープを使おう
そういった運用をしたいのであれば、通常のタープ設営、または小川張りなどの方法をするしかありません。
タープ連結という趣旨からは外れますが、「テントに重ねてタープを張る」という意味では同じです。
どちらにしてもタープ設営は面倒が多く、とくに小川張りは風にも弱いです。
そこで、コールマンのXPタープシリーズに採用されている「クロスポール式タープ」はいかがでしょうか。


クロスポールであれば三角テントを避けるようにポールが走るので、被せてレイアウトすることが可能です。
詳しくはXPタープの記事の中で紹介しておりますので、参考にどうぞ。
デメリット③ポールへの負荷が大きい
テント側ポールがタープの力も受け持つことになるので、メインポールへの負担は大きくなります。
本来想定していない力が加わるため、強風時にはポールの折れ・曲がりのリスクがあります。
ワンポールテントにとって、メインポールは大黒柱です。
強風時のタープ接続は絶対にやめましょう。


ちなみにこちらは、最もやってはいけない図(過去の私…)
・テント頂点のループに直で接続
・強風と分かっていながら片付けなかった
幸いにもテントポールは無事でしたが、風の力でタープ側のポールがグニャリと折れ曲がりました。
まだポール一本で済んでいるから良いものの、ループがちぎれたりメインポールが折れてたら悲惨です。
タープが受ける風の力というのはかなり強いです。
(対策)タープ接続用の強化ポールを使う
テンマクデザインのテントの一部には、タープ接続の力に耐えられる強化ポールがオプションにあります。
純正はアルミですが、こちらはスチールで出来ており、非常に強度が高いです。
こういった、メーカー側がタープ接続を想定している場合は非常に助かりますね。
しかし、こんな親切なメーカーばかりではありません。
自分が使っているテントにピッタリの長さの強化ポールなんて、そう簡単には見つかりません。
そんなときは、市販のスチールボール、または太いポールを丁度いい長さにカットして使う、という手があります。
ポールをカットするというのはワンポールテントやタープでよく見られる手法です。
目的は違いますが、↓の記事でも似たようなことをしているので、参考にどうぞ。
関連 パンダTCのポールをカットして低く張る
【まとめ】弱点を理解すれば、タープ接続は超便利!


ということで、ワンポールテントにタープを接続する方法をご紹介いたしました。
今回の重要なポイントは以下の3つ。
晴天時はワンポールテント単体、雨天や日差しがきついときはタープ接続。
私はこんな感じで運用しています。雨遭遇率の高い雨男なので、いつもお世話になってます…。
というわけで、簡単にできて実用性も高く、何よりかっこいい!
そんなタープ接続ワザ、ぜひとも皆様お試しください。
それでは!
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