冬/春キャンプツーリングの服装(防寒着)を考える

バイク装備
この記事は約12分で読めます。

3月〜4月頃になると寒い冬が終わり、「ようやく暖かくなってキャンプツーリングシーズンの到来!」
と喜んでいるライダーも多いのではないかと思います。
でも…

ちょっと待て!春キャンプには気をつけろ!

と声を大にして言いたい。

春って、実は一番キャンプが難しい時期だと思っています。
日中はポカポカした暖かさなのに、夜は真冬並みに冷えたりします。この寒暖差がめっちゃキツイ

私の経験上でも、3〜4月のキャンプで「夜が予想以上に寒くて辛かった」と語っているキャンプレポが非常に多いんです。
というわけで今回は、難しい春キャンプツーリングの服装と防寒について考えてみようと思います。


冬のキャンプツーリング特集
冬のキャンプツーリング特集

服装以外にも、冬/春キャンプツーリングに役立つ寒さ対策をまとめました。
荷物をコンパクトに、かつ暖かさや快適さを犠牲にしない。
そんな試行錯誤の末に楽しいキャンプができれば、きっと大きな達成感が得られるでしょう!

この記事を書いた人
ヒスケ

中部・近畿地方を中心にキャンプツーリングを楽しんでます。
キャンプにハマって10年、累計120泊を超えました。
「本気で遊んで、誰かの役に立つ」をモットーに、情報発信していきます!



春キャンプが難しいと言われる2つのポイント

冬キャンプの場合はシンプルに防寒を重視すれば良いのですが、春キャンプはそうは行きません。
個人的に、春のキャンプツーリングには大きな2つの課題があると考えています。

・日中〜夜間の寒暖差が激しい → 気温変化に対応する必要がある
・バイクだと積載量が限られている 
→ かさ張る防寒着、暖房器具を持っていけない

特に防寒着はかさ張る傾向にあるので、あれもこれも持っていくとバッグを圧迫してしまいます。
かといって思い切って切り捨てれば、思いがけず寒いときに対応できず困る…。


つまり、幅広い気温に対応できる服装を、最小限の荷物で解決する方法を確立しとかないといけません。
これが今回の記事のメインテーマです。

バイク乗車中から買出し・設営・就寝まで、各シーンに最適な服装を考えつつ、極力使い回しで荷物量を抑える術を考えていきたいと思います。

困り犬
困り犬

防寒着はどうしてもかさ張るから、たくさん持っていけないのがバイクの辛いところ…

寒暖差にはレイヤリング(重ね着)で対応しよう

いろんな環境に対応する防寒術の基本は、レイヤリング(重ね着)です。
状況に合わせて服を着たり脱いだりすることで、寒暖差に対応しましょう。

レイヤリングのメリットは、寒暖差に柔軟に対応できる以外にも「めっちゃ寒い時専用のアウター」みたいな限定的なかさ張る服装を持たずに済むこと。
重ね着によって防寒性能を上げていくので、どでかいジャケットを持っていく必要がありません。
(かさ張る防寒着を持っていったのに結局着なかった、はもったいない!)

それでは、モンベルのレイヤリングの考え方を参考に見てみましょう。

モンベルより引用
ベース
(肌着)
汗冷えしないために、速乾性の高い肌着が必要。
汗をかくのは背中や腋がほとんどなので、半袖で良い。
ミドル1
(中間着)
空気の層を作り、保温性を高める役割。
通気性がないと蒸れるので、フリースやウールのシャツなどが良い。
ダウンは通気性が悪く汗冷えしやすいので避ける。
ミドル2
(中間着)
防風性と透湿性のある中間着。気温や行動レベルに合わせて脱ぎ着する。
買出しや食事などの室内空間や、設営など体を動かす場面で着用。
薄手のソフトシェルジャケットなどが代表的。
室内でのアウターを兼ねるので、デザイン性も気にしたい。
アウター
(防寒着)
一般的な冬用アウタージャケット防風性が高いものを選ぼう。
中間着で着込んでいるので、薄手で動きやすい物が良い。
バイクなら冬用のライダースジャケットに相当する。

基本的には、ベース+ミドル1は常に着用。防寒が必要な場面ではアウターを着用。
寒ければミドル2を追加で着る、暑くなってきたらミドル2、またはアウターを脱ぐといったイメージ。

MAXの寒さレベルと日中の暖かさレベルを想定し、それに合わせたレイヤリングシステムを構築しましょう。


なお、下半身は上半身ほど簡単に脱ぎ着出来ない(バイクの場合は特に)ため、レイヤリングの自由度は下がります。
しかし考え方は同じで、

・ベース(タイツなど)
・ミドル(ライディングパンツ)
+アウター(オーバーパンツ)

とし、寒ければオーバーパンツを穿く・脱ぐといった調整が現実的なレベルと思います。

このことから、脱ぎ穿きによるレイヤリングが難しい下半身は電熱ウェアによる温度調整がおすすめです。
これについても、後述します。

バイク乗車時の防寒レイヤリング(寒さレベル★★★)

冷たい走行風を浴び、ほぼ体を動かさないバイク乗車時は、最大級の防寒が必要です。

かといって防寒一辺倒ではなく、日中の気温が高く汗をかくこともありえます。
当然ですがプロテクター装備で身を守ることも必要で、ライディングを妨げない動きやすさも確保したいですね。

ベース速乾性の高い半袖シャツ
ミドル1薄手のフリースやウールのシャツ
または電熱ウェア(※)
ミドル2薄手の防風透湿性のあるジャケット
アウター冬用バイクジャケット
ボトムスタイツまたは電熱タイツ(※)
+ライダーパンツ
+オーバーパンツorレインパンツ

ベース(肌着)は、よくある速乾性シャツが良いでしょう。動きやすさを考慮して半袖がベスト。

ミドル1(中間着)は、薄くて動きやすいフリースやウール系のシャツを。
もし電熱ウェアを着るなら、体に近いほうが効果が高いのでここで着るべきです。

ミドル2(中間着)は室内での食事や買い出し時に着ることを考慮し、デザインが自然なものを。
アウタージャケットで防ぎきれない隙間風をシャットアウトする、防風性の高い物が良いでしょう。

アウターはバイク用の冬ジャケット(プロテクター入り)で決まり。
中綿入のゴワゴワしたものは避け、防風性の高く柔軟性の高い物を選びましょう。
中に重ね着することを見越して、やや大きめサイズを選んでおくのもポイント。

ボトムスはまず、保温性の高いウールのタイツや電熱タイツを穿きます。
そしてバイク用のパンツ(プロテクター入り)を着用。冬用以外にも、春秋用でも大丈夫。

これ以上中に着込むと動きづらくなるので、寒い時はオーバーパンツを着用しましょう。
持っていなければ、雨合羽を着ることで代用できます。

・最大級の防寒が必要
・着込みすぎると身動きしにくくなる
・隙間風対策は万全に
・プロテクターは必須

寒いぬ
寒いぬ

冬のバイクほど、寒さ対策が厳しいものは中々ほかにないよ…

キャンプ中の活動着レイヤリング(寒さレベル★★☆)

買い出しや設営などが済んだら、リラックスできる服装に着替えましょう。
キャンプ中はテントで風をしのいだり、焚き火やヒーター、食事などで暖を取ることができるので寒さレベルはやや下がります。

荷物が減らせるからとバイク用ジャケット・パンツを兼用するのはおすすめしません。
プロテクター入りだと動きづらいので、逆に疲れてしまいます。

かと言って新たな防寒着では荷物がかさばりがち。
そこで、収納がコンパクトかつ暖かい、ダウンのウェアを活用しましょう!

ベース速乾性の高い半袖シャツ(兼用)
ミドル1薄手のフリースやウールのシャツ(兼用)
ミドル2薄手の防風透湿性のあるジャケット(兼用)
アウターダウンジャケット
ボトムスタイツ(兼用)
+ダウンパンツ
+スウェット

ベース〜ミドル2まではバイク乗車時のものを兼用します。
バイク用ジャケット・パンツだけを脱ぐということですね。

代わりにダウンジャケット・ダウンパンツを着用し、暖かさと動きやすさを確保します。
収納は非常にコンパクトなので、荷物の増加は最小限に抑えられます。


ここで気になるのが、キャンプ中の汚れや焚き火対策
高価なダウンを汚したり、火の粉やヒーターの熱で穴が空いたりするリスクが出てきます。

そんな時はダウンを内側に着込み、その上からミドルを着る「逆転レイヤリング」がおすすめです。


例)ダウンジャケットの上からフリースやソフトシェルジャケットを着用。
ダウンパンツの上にスウェット(就寝時のパジャマ)を着るなどして、防寒性を保ちつつリスクを減らします。

ダウンジャケット&パンツをアウターにすると、全身モコモコのミシュランタイヤマン状態でちょっとかっこ悪いので、それを隠す意味でもオススメです。

・動きやすく暖かい服装
・収納が小さいダウンを有効活用
・汚れや火の粉対策に、着る順番を入れ替える

博士犬
博士犬

アウトドアとはいえ、運動量は少ないから体の発熱は期待できませんね…

就寝時の服装は「軽装」が正解

寝袋に入って寝る時の格好にもポイントがあります。
それは「軽装(薄着)」であること。

寝袋は、体温の熱を伝えることで寝袋が温まり保温性能が発揮されます。
寒いからとたくさん着こむと、体温が寝袋に伝わらず効果がありません。これ、結構意外な盲点じゃないです?

ベース速乾性の高いシャツ(兼用)
ミドル1
薄手のフリース、ウールのシャツ(兼用)
またはスウェット
ミドル2
アウター
ボトムスタイツ(兼用)
またはスウェット

寝る時はスウェット(パジャマ)程度の服装にしておきましょう。
就寝時しか使わない服を持っていくのも荷物になるので、積載に余裕がない場合はベース(肌着)の服装で寝るのもアリです。

かなり軽装なので、お手洗いなどに行く際にはダウンなど他の服を着込んでいくのをお忘れなく!

・とにかくリラックスできる服装!
・体温を寝袋に伝えるため、着込みすぎない
・寒ければカイロや即席湯たんぽなどで補填する

寝犬
寝犬

僕はいつも全裸で寝ているよ〜ん。犬ですから。

ベース(肌着)におすすめのアンダーウェア

created by Rinker
MIZUNO(ミズノ)
¥1,897(2024/05/07 00:34:55時点 Amazon調べ-詳細)

スポーツウェアなどに採用される、一般的な速乾性のシャツが手頃でオススメ。
多くの人が一着は持っているのではないでしょうか。とりあえずこれを試してみよう。


バイク用アパレルでおなじみKOMINEのサーマルアンダーシャツ。
汗をかきやすい腋はメッシュになっているので、蒸れにくくなっています。
さむがりな人、気温が低いと分かっている場合はベースから防寒力の底上げをしておくと良いです。


モンベルがアンダーウェア用に開発した「ジオライン」速乾性、保温性、快適性に優れた高機能ウェア。
お値段は安くはないものの、1着あればマジで使えるハイスペック肌着。
匂いを抑える効果もあるし、2日位なら着替えずに着てても全然気になりません。

寒さに合わせて、薄手のL.W(ライトウェイト)、中厚のM.W(ミドルウェイト)から選ぼう。
厚手のEXP(エクスペディション)もあるけど、さすがにかさ張るので初めはミドルでいいと思います。

ミドルにおすすめの中間着(フリース、ウール、ソフトシェル)

コロンビアのハーフジップフリース。ミドル1に着るのがオススメ。
落ち着いたデザインなので、このまま買い出しや食事にも行けるかっこよさ。
どのレイヤリングにも言えることですが、キャンプ以外の普段着でも着れるものを選べば最終的にコストが抑えられますね。


私が大好きなバイク系アパレル「RSタイチ」のミドルウェアがウォームライドジップシャツ。
なんてたってタイチはカッコいい(個人の意見です)ので、アウター脱いだときにダサくないのがイイ。
防風性の素材でできているので、ぜひともミドル2で着ることをおすすめします。

アウターにおすすめの冬用ジャケット

コミネのやや春秋寄りのライダースジャケット。中に着込めば冬でも使用可能です。
ソフトシェルタイプのジャケットなので身動きしやすい。胸プロテクター標準装備もありがたい!
暑かったり寒かったりする時期のツーリングは、「メッシュも開閉できる冬ジャケット」が正解です。


こちらもコミネ。ストレッチ性があるので着やすく、温度調整用のメッシュも4箇所ある。
アウトドアテイストなデザインなので、キャンプツーリングにもよく合う!
このクオリティと値段だけでも神なのに、最近はデザインも良くなってきて、マジでコミネは神。

ボトムスにおすすめのタイツ、ソックス、パンツ

冷えやすい下半身ですので、発熱力・保温力ともにハイレベルなモンベルのスーパーメリノウールのタイツで完全装備しましょう。
めちゃお値段は高いですが、家を出てから帰るまでほぼ穿きっぱなしなので利用価値は高いです。

バイク用電熱タイツもほぼ同等の値段しますので、どちらを選ぶかはあなた次第。


最も冷えやすい足先も、対策を怠っちゃいけません。
コミネのウォームソックスはかなり分厚いメリノウール素材なので、まずこれがあれば大丈夫。
裾口からの隙間風があるので、丈の長いソックスのほうが安心です。


オーバーパンツなら比較的安価に、今使っているパンツの防寒性能をアップすることが出来ます。
コミネはサイドオープンなので脱ぎ履きしやすいのも良い!
ここまで予算がかけれない場合は、既存のレインウェアを使う方法もあります。使えるものを使おう!


テントなどでおなじみのネイチャーハイクのダウンパンツ。私も愛用中。
800FPという冬用寝袋並の高性能ダウンを使用しており、マジで温かいです。
収納サイズもめっちゃ小さくできるので、下半身の防寒はこれ一本でOK。

最強装備!電熱ウェアを活用しよう

バイク最強の防寒装備と言えば電熱ウェア。
非常にコストはかかりますが、どのみち高機能ウェアも高額になるので、思い切って電熱にしてしまうのもアリでしょう。

バイク給電タイプならハイパワー・長時間の運用が可能です。
バッテリータイプならバイクを降りてからのキャンプ中でも使えます。どっちも悩ましい!

全身を電熱装備で固めれれば一番良いのですが、費用も高額になります。
ですのでまずは下半身から電熱化するのがオススメです。

下半身は上半身のように気軽に脱ぎ履き出来ないため、電熱のパワー調整で気温に対応するのがスマート。
小排気量バイクだと使える電力も限られてくるので、優先順位を決めて部位を選びましょう。


次に冷えが厳しいのが手先。手がかじかんだせいでバイクの操作ミスが起きては困りますからね。
インナーグローブなどでゴワゴワするとクラッチやブレーキ操作がやりづらいので、素直に電熱グローブ一発で解決するのが一番の近道です。

電熱装備はメーカーを揃えないと後々面倒なことになるので、ラインナップ豊富なコミネで統一しておくのがおすすめ。


私も使用している薄手の電熱ジャケット。
体に近いところで着たほうが良いので、ミドル1で着用しよう。
まるでコタツに入っているかのような暖かさで、1度使うと電熱は止めれなくなります…。

【まとめ】バイクキャンプの防寒レイヤリング装備一覧

ということで最後に、持っていくべき防寒着を一覧にしてみました。
自分が持っているかどうか、持っていく際のチェックリストとしてもお使いください。

ベース
(肌着)
・速乾性Tシャツ(半袖)
・またはジオラインM.Wシャツ
ミドル1
(中間着)
・薄手のフリースジャケット
・またはウール系の厚手のシャツ
ミドル2
(中間着)
・防風性のあるソフトシェルジャケット
アウター・(バイク走行時)冬用ライジャケ
・(バイク降車後)ダウンジャケット
※火の粉が心配な時はミドル↔アウターを入れ替える
ボトムス・ウール系の厚手タイツ
・または電熱タイツ
・ウール系の厚手ソックス
・オーバーパンツorレインパンツ
就寝時・ベースの物を着用
・またはスウェット
寒い時・カイロを貼る
準備犬
準備犬

これで防寒着の準備はバッチリだね!

レイヤリングを制するものは、防寒を制する!
気温や環境に合わせた服装選びができれば、キャンプやバイク以外のお出かけでもきっと役立つこと間違いなし。

「思ったより寒かった」「昼から急に気温が上がって汗だくになった…」なんてときにもスマートに対応できれば、快適度爆上がり間違いなし。
知ってて得する生活の知恵、服装レイヤリングについての考察でした。

それでは!

コメント

タイトルとURLをコピーしました