寝袋ってどうやって選んだらいいの?やっぱり高いものは良いの?
寝袋(シュラフ)を選ぶとき、明確な基準が無くて適当に選んでいませんか?
なんとなくで選んだ寝袋で寒い思いをした、実はもっと安い寝袋でも良かった・・・なんて失敗はしたくないですよね。
寝袋は使う環境が明確に決まっています。間違えた選択をしてしまうと、快適な睡眠を得ることが出来ません。
そこで今回は寝袋の選び方を、2部構成で初心者にも分かりやすく解説いたします!
ここを理解すれば難しい単語が分からなくても、あなたの使い方にマッチした寝袋を選べるようになります。
第1部の今回は寝袋選びの核となる「季節と気温」について、実例を交えながらご紹介します。
さらにもう一歩踏み込んだ、実用的な選び方をまとめたその2は↓こちら。
関連 寝袋の選び方(価格とサイズ)
キャンプ場の最低気温を調べよう
寝袋(シュラフ)はなんとなく「寝具」と考えがちですが、これは間違いです。紛れもなく「防寒具」です。
防寒具、つまり就寝時に体の体温を保つための物です。
暖房や断熱性の無い野外テントでは、寝袋のみで寒さに対応しなければいけません。
そのため寝袋には「対応温度」のような表記があります。
「その気温であれば快適に寝れる」目安となる値です。これを見て寝袋を選ぶのが正しい手順。
なので、寝袋選びで1番初めにするべきは、キャンプ場の最低気温を調べることです。
以下の表に、代表的な地域の季節ごとの最低気温をまとめました。
春(5月) | 夏(8月) | 秋(11月) | 冬(2月) | |
和歌山県潮岬 (海辺の温暖地域) | 16℃ | 24℃ | 12℃ | 5℃ |
静岡県浜松市 (最低気温平均に近い) | 15℃ | 24℃ | 9℃ | 2℃ |
滋賀県 マキノ高原 (標高300m) | 5℃ | 21℃ | 6℃ | ー1℃ |
長野県 車山高原 (標高1900m) | 5℃ | 15℃ | -2℃ | -11℃ |
この表から分かることは
・同じ夏でも、温暖な地域と比べて標高の高い山間部では10度近く低い
・春秋はそれ以上に地域の温度差がある。
ということ。
夏キャンプだし「夏用」って書いてある寝袋でいいや~
と適当に選んでしまうと、標高が高いキャンプ場で寒い思いをする、という訳です。
おすすめは3シーズン対応寝袋
キャンプ=夏をイメージしますが、最近の夏は暑すぎて過酷です。
特にバイクは暑さを凌ぐ手段に乏しいので、春・秋がベストシーズンになります。
このことから、春~夏~秋と長く使える3シーズンシュラフが1番おすすめです。
夏は標高の高いところで避暑キャンプ、春秋ならちょうどいい気候、といった具合で幅広く対応できます。
モンベルは#表記で選びやすい
「1つ1つ、寝袋の対応温度確認するの面倒だよ!」
って気持ちになりますよね。手っ取り早く探したいのに!
そこでおすすめなのが、日本のアウトドアメーカー「モンベル」の寝袋。
モンベルにはたくさんの寝袋がありますが、モデル名の末尾にある「#〇(数字)」で、大まかにどの季節用なのかが分かるようになっています。
#0 | #1 | #2 | #3 | #5 | |
対応季節 | 冬用 (山間部) | 冬用 (平地) | 春秋用 (山間部) | 春秋用 (平地) | 夏用 (平地) |
対応温度 | -10℃ | -5℃ | 0℃ | 5℃ | 10℃ |
#の数字が小さいほど寒さに対応しています。
例えば
・夏の平地でキャンプするなら#5と表記がある寝袋
・夏だけじゃなく、春秋も平地でキャンプするなら#3の寝袋
といった感じ。
「私は寒がりだから、1ランク上げて#2にしようかな」といった好みがあっても探しやすいのが利点です。
対応温度域はかなり正確
モンベルでは、更に細かく3段階の対応温度域が表記されています。
これがめちゃくちゃ正確で参考になるので、このデータの見方は絶対に覚えておく方が良いです。
下の表に分かりやすく一言でまとめてみました。
快適温度 | ぐっすり寝れる気温 ※ ここを見るべし |
使用可能温度 | 寒いけどなんとか寝れる気温 |
危険温度 | 凍死しない気温(参考にしたらダメ) |
例えばバロウバッグ#3というモデルは
・快適温度 6℃
・使用可能温度 1℃
となっています。(危険温度は参考にするべきではないので除外しました)
これを分かりやすく変換すると「6度まではぐっすり寝れるよ。1度だと寒くて目が覚めるかもよ」といった感じ。
寒さの感じ方には個人差がありますが、個人的にはこの対応温度域はかなり正確だと感じました。
#3寝袋での寒さの感じ方実例
#3の寝袋で春秋と冬にキャンプしたときの体験談をご紹介します。
・快適温度 6℃
・使用可能温度 1℃
という性能を頭に入れてご覧ください。
パターン1 山間部で秋キャンプ 最低気温5度
11月上旬、少し標高のある山間部での秋キャンプ。秋のキャンプシーズンで、バイクで走るには1番いい季節です。
日中は秋晴れでちょうどよい気温ですが、朝の最低気温は5℃。
とくに衣類は工夫せず薄着でシュラフへ。ちょっと寒いけど、まぁなんとか普通に寝れるレベル。
カイロなどを使えばもっと快適だったかな?と感じる程度。
これが、快適温度の下限域での感じ方です。
パターン2 山間部で初冬のキャンプ 最低気温‐1℃
パターン2は12月、少し山奥のキャンプ場にて。
日中はポカポカ陽気で暖かいのですが、日が暮れるとグッと気温が下がりました。
翌朝の最低気温‐1℃。クッカーに残っていた水は凍っていました。
冷えることを想定していたので中にブランケットを入れたり、カイロを4個入れて暖を取っていましたが、かなり寒い。
寒くて何度も目を覚まし、朝までぐっすりとはいきません。「もうこの寒さではキャンプ無理!」と明確に感じました。
これが使用可能温度を下回ったときの感じ方。
寒くて寝れないのは非常に辛いです。翌日に疲れが残るし、命の危険さえ感じます。
このことがきっかけで冬用シュラフ(#1)の購入を決意しました。
詳しくは↓の記事からどうぞ。
関連 モンベル ダウンハガー800 #1インプレ
まとめ モンベルの3シーズンシュラフがおすすめ!
第1部のまとめです。
・最低気温に応じて寝袋を選ぶ
・春秋用の寝袋が最もコスパが良い
・モンベルの寝袋が選びやすい
・寒くて寝れない事だけは避けるべし
以上のポイントを抑えておきましょう。
その上で、私がオススメする最初に買うべき寝袋は「モンベルの#3(3シーズン用)」です。
私の初めての寝袋もモンベルの#3でしたが、購入以来8年間ずっと愛用し続けています。(冬以外)
キャンプを始めた頃に買った物の中で、今でも現役で使い続けている唯一の道具がこの寝袋。
それだけバイクキャンプと言う使い方にマッチしているということ。
購入当初は1.5万円という価格に勇気が要りましたが、これだけ使えたら十分元は取れたと思います。
寝袋は安いものではないので、間違いの無い選び方を知ってもらえればと思います!
第2部では購入時に気になる「価格」と、バイク積載に重要な「収納サイズ」に的を絞った選び方を解説しています。
詳しくは↓の記事からどうぞ。
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