バイクでキャンプをするときの寝袋の選び方をまとめてみました。
寝袋はキャンプ道具の中でも特に高価な道具。チョイスを間違えて「まともに寝れない!」なんて事は避けたいですよね。
かといって無駄に高いのを買うのも勿体ないし、あれこれ買い換えられるほど安いものでもありません。
バイクならではの選び方があるので、未経験の方は苦労すると思います。
1回目の今回は「季節と気温で決めること」と題して、選び方を解説します。
その2はこちら。
いつ、どこでキャンプする?
寝袋(シュラフ)は、なんとなく「寝具」と考えがちですが、れっきとした「防寒装備」です。
朝晩の寒さに対応できるから寝れるんです。
「どの季節にどのくらい冷える場所でキャンプするか」を想像しておいてください。
夏の平地でしかキャンプしないなら、比較的安い寝袋で十分です。
でもキャンプのベストシーズンは春秋。さらに冬や標高の高いエリアでもキャンプするようになって・・・。
キャンプにハマると、どんどん行動範囲と季節が広がっていきます
夏用、春秋用、高地・冬用などと寝袋を揃えるのがベストですが、アレコレいくつも買ってはいられません。
なので、迷ったら想定範囲は広め(寒いほう)にしておきましょう。
・夏のキャンプ、避暑地の標高が高いところへいく
・春と秋のちょうどいい時期にキャンプをする
というパターンが最も多いと思うので、それらをカバーする3シーズンシュラフがマッチするでしょう。
適正温度表示はかなり正確
一言で3シーズンと言っても、地域や標高によって気温は異なりますよね。
そこで、シュラフメーカーが提示している適正温度を参考にしましょう。夏用なのか秋冬用なのかは、これを見れば分かります。
メーカーによって基準や区切りは違いますので、モンベルを例に見てみましょう。
モンベルは#0(寒い時用)~#5(暖かい時用)まで5段階の設定があります。
3シーズンシュラフというと、モンベルでは#3がそれにあたります。
※ #4は無いです。

#0厳寒期(冬の登山など)、#1真冬(氷点下当たり前)はバイクにはあまり関係なし。
#2冬用(氷点下いくかも程度)、#3秋冬用(朝晩が冷える時)で選ぶ人が多く
#5夏用は夏の平地のみ使用可能、といった感じ。
それぞれのシュラフの名前の後ろに#〇と書かれています。
同じ#3にも素材や特徴の違ういろんなモデルがあるので、細かく選ぶことが出来ます。
快適~ちょい寒~限界のレベル分け
さらにこの表では見る所がもう一つ。
#〇の中に3段階の「寒さ指数」が設定されています。

コンフォート温度:とくに防寒を意識せずとも快適に寝れる温度域
リミット温度:ちょい寒い。衣服を工夫したり身体を丸めてなんとか寝れる温度域
エクストリーム温度:凍死しない限界温度域
3つも設定があるなんてややこしいな・・・と思われる方のために、見方を伝授します。
朝晩の冷え込みがコンフォート温度で収まる寝袋を選びましょう。
リミット温度は保険。最悪この温度でもなんとかなります。
エクストリーム温度は、寒さに強い自信があっても参考にすべきではありません。
寒さの感じ方に個人差こそありますが、この温度表示はかなり正確です。
パターン1 秋のキャンプ
それでは、#3シュラフで春秋と冬にキャンプしたときの体験談をご紹介します。
化繊シュラフでコンフォート6度、リミット1度という性能です。
パターン1は11月上旬、少し標高のある山地。
秋のキャンプシーズン。バイクで走るには1番いい季節です。

日中は秋晴れでちょうどよい気温ですが、早朝の最低気温は5度。
とくに衣類は工夫せず薄着でシュラフへ。
ちょっと寒いかなぁ、カイロを使おうか迷うな・・・なんて思っているうちに就寝。
おおむね快眠できて、翌朝目覚めすっきり。
これが、コンフォート温度下限域での感じ方。快適とちょい寒の間くらいでした。
パターン2 冬のキャンプ
パターン2は12月中旬、少し山奥のキャンプ場にて。
日中はポカポカ陽気で暖かいのですが、日が暮れるとグッと気温が下がりました。

翌朝の気温はマイナス1度。クッカーに残っていた水は凍っていました。
冷えることを想定していたので中にブランケットを入れたり、カイロを4個入れて暖を取っていましたが、やはり寒い。
寒くて何度も目を覚まし、朝までぐっすりとはいきませんでした。
「もうこの寒さではキャンプ無理!」と明確に感じました。
このようにリミット温度を下回りエクストリーム温度になると、めちゃくちゃ寒いです。
並大抵の寒さ対策でも快適にはなりません。
寒さに強い、は信用ならない?
もちろん、人によって寒さへの耐性は差があります。
私はどちらかというと寒さに強い自信があるほうでした。毎年スノボに行くぐらいには寒いのが好きです。
だからリミット温度を下回る冬でも、3シーズンシュラフで挑んだわけなんですが・・・。
実際には、「寒いのが好きだから寒さに強い」ってのは違います。
寝袋でじっとして寒さに耐えて眠ることと、ゲレンデで体を動かしているのは状況が違いすぎます。
いや、もしかしたら多少は寒さに強いのかもしれません。でもそれがどれだけの強さなのかは分かりません。
だから余裕を見てコンフォート温度で選ぶことが超・重要だと思います。

バイクキャンプ大好きな私ですが、防寒装備が載せきれない冬はクルマに切り替えています。
冬用シュラフやストーブがないと、命の危険すらありますからね。
私のやるキャンプはサバイバルじゃないので、無理せず楽しめる方法でやっていきます!
まとめ
人間、寒いと眠れません。
眠れないと翌日に疲れが残り、バイクの運転も判断が鈍るし、いい事ありません。
キャンプで眠れなかったせいで翌日事故った・・・なんて最悪でしょ。
キャンプは娯楽であると共に休息の時間でもあるので、きっちり寝れるかどうかは超重要。
そのためにも寝袋は、寒さに対応できるものを選ぶことが大事。
寝袋以外にも、コットやマットが寒さ対策になりますが、あくまで主役は寝袋。
どうかここだけは軽視せず、きちんと選んでもらいたいなと思います。
次の「その2 サイズと価格」もぜひ参考にどうぞ。
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